波が、ゆっくり満ちてくる。iroha FIT みなもづき レビュー

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道具を使うことに、ずっと少しだけ気後れがありました。
もっと露骨なもの、生々しいもの、という印象が拭えなくて、手を伸ばせずにいたのです。
iroha FIT を選んだのは、その印象といちばん遠いところにある見た目だったからでした。
なかでも「みなもづき」を選んだ理由は、波のかたちでした。
とがったところがなく、ゆるやかに起伏している。
これなら、と思えたのです。
今日は、しばらく付き合ってみてのことを、できるだけ正直に書いてみます。
どんなものか
iroha FIT は、TENGA が女性向けに展開する iroha シリーズの、挿入して使うタイプです。
指よりやわらかいシリコンが、しなって体に沿う——
その「しなり構造」が特徴で、道具に慣れていない人でも扱いやすいように作られています。
みなもづきは、その FIT のなかでも、水面のようなウェーブ構造を持つモデルです。
細身の「みかづき」が点で触れる狙い撃ちなら、みなもづきは面でやわらかく包む——
そんな対比で語られることが多いようです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 形状 | ウェーブ構造(みなもづき) |
| 素材 | シリコン/ABS |
| 振動 | 8モード(強弱5段階+3種のリズム) |
| 防水 | 水深50cmまでの防水仕様 |
| 充電 | USB Type-C 充電式/充電ケース付き |
| 静音性 | 静音設計 |
| 保証 | 購入後1年間 |
スペックを並べると機械的に見えますが、手に取った印象はもっと穏やかなものです。
iroha FIT MINAMOZUKI なでしこ色 イロハフイツトミナモヅキナデシコイロ [イロハフイツトミナモヅキナデシコイロ]
箱を開けたときのこと
まず、箱が静かでした。
中身を主張しない、化粧品のような佇まい。
これなら部屋に置いてあっても、と思える落ち着きがあります。
本体を取り出して、いちばん驚いたのは手触りでした。
マットで、しっとりして、指で押すとゆっくり沈んで、離すとまた戻る。
「人肌もちすべ」と表現されるのを読んだことがありますが、なるほど、と思いました。
冷たい器具という感じがまるでしないのです。頬に当ててみたくなるような、と言えば伝わるでしょうか。
手のなかで体温に馴染んでいく時間が、もう心地よいのです。
充電ケースに収まる姿も、どこか小さな道具箱のようで、しまうときの気分が悪くありませんでした。
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使ってみて
やわらかさ ── 沿ってくる感触
使ってみてまず感じたのは、抵抗のなさでした。
しなりがあるぶん、体の動きに逆らわず、ゆっくり沿ってきます。
固い道具にありがちな、押し返してくるような圧がない。
最初のひと触れで身構えていた肩の力が、すっと抜けたのを覚えています。
みなもづきの起伏は、当たる角度によって表情を変えました。
浅いところでは、波のふくらみが入口あたりをやさしく押し広げて、そのままじっとしているだけでも、じわりと熱がたまっていきます。
少し奥へ進めると、今度はウェーブの谷の部分が沿うように触れて、点ではなく面で包まれる感覚になりました。
鋭い快感が一点を突くのではなく、輪郭のぼやけた心地よさが、ひたひたと満ちて引いてを繰り返す。
名前のとおり、水面に近いのだと思いました。
体温で素材がいっそうやわらかくなってくると、どこからが自分の体で、どこからが道具なのか、境目が曖昧になっていく時間があります。
その曖昧さが、わたしにはいちばん心地よい部分でした。
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振動 ── 弱から始められる安心
振動は8モードあって、いちばん弱いところから始められるのが、わたしにはありがたかったです。
最弱のモードは、振動というより、ごく細かな震えが肌の表面をくすぐる程度。
これくらいから始められると、体が驚かずに、ゆっくりほぐれていけます。
そこから一段ずつ上げていくと、震えが芯のほうへ届くようになっていきました。
リズムのパターンに切り替えると、寄せては返すような強弱が生まれて、一定の振動とはまた違う、揺さぶられる感覚があります。
あと少し、というところで弱に戻したり、また上げたり。
自分の波を自分で選べるのが、思っていたよりずっと楽しい部分でした。
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静音性と手入れ ── 夜に向いている
静音設計というのは、夜に使う者にとって、地味でいて大きな安心です。
耳を澄ませばわかる程度の、低い羽音のような音。
布団のなかで使っても、これなら音に気を取られて集中が途切れる、ということが少なくて済みました。
そして、防水で丸洗いできること。
終わったあとに、ぬるま湯でさっと流せる手軽さは、こういう道具では本当に大事だと改めて思います。
お風呂でそのまま使えるのも、心理的なハードルを下げてくれました。
清潔に保てる安心は、次にまた手に取る気持ちに、まっすぐ繋がっています。
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向いている人・向いていない人
正直に書くと、向き不向きははっきりある製品だと思います。
向いていると思う人
- 道具を使うことに、まだ少し気後れがある人
- 鋭い刺激より、やわらかく満ちる感触を好む人
- 夜に静かに使いたい人、清潔に保ちたい人
あまり向かないかもしれない人
- とにかく強烈な刺激を求める人(やわらかさが優しすぎると感じるかもしれません)
- 充電の手間を避けたい人(電池式の手軽さとは別の作りです)
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おわりに
使い終えて充電ケースに戻すとき、なんだか道具というより、夜のための小さな相棒のように思えました。
きもちよさを、誰かに合わせるのではなく、自分のペースで確かめていくこと。
そういう時間があってもいいのだと、この波のかたちが、静かに教えてくれた気がします。
窓の外は、まだ夜の途中でした。
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