ゴムであることを、忘れさせるもの──SKYN プレミアム

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コンドームの話を、正面からするのは少し気恥ずかしい。でも、選ぶものひとつで夜の感触がここまで変わるなら、ちゃんと書いておく価値があると思います。
SKYN Premium。「素肌のような」という、いかにも広告的なコピーを掲げた製品です。半分は疑いながら手に取ったのですが、使ってみて、この言葉はそれほど大げさではなかった、というのが正直な感想でした。今日は、しばらく使ってみてのことを、できるだけ細かく書いてみます。
どんなものか
SKYN は、コンドームの世界では珍しい「ラテックスを使わない」シリーズです。素材に IR(イソプレンラバー)という、天然ゴムとは別の合成素材を採用しているのが最大の特徴。肌に近いやわらかさと伸縮性を持ち、「着けていることを忘れる」ことを目指してつくられています。
Premium は、そのシリーズの上位にあたるモデルです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 素材 | IR(イソプレンラバー)/ラテックスフリー |
| 内容量 | 10個入り |
| 色 | 着色料不使用のナチュラルカラー |
| 潤滑剤 | 表面に塗布あり |
| 製造 | 天然ゴムを扱わない施設で製造 |
| 区分 | 管理医療機器 |
ラテックスアレルギーを持つ人にとっては、素材そのものが選択肢になります。ただ、わたしがこれを選んだ理由は、アレルギーではなく、単純に「あのゴムの感じ」が少し苦手だったからでした。
箱を開けたときのこと
まず驚いたのは、においでした。正確に言えば、においがほとんどしないこと。ラテックス特有の、あのゴムくささが見当たりません。
開封して指先で触れた感触も、これまで知っていたコンドームとは違いました。張りつめた膜というより、くったりとした、布に近いやわらかさ。摘まむと、頼りないほど柔らかく伸びます。この時点で、「ああ、これは別物だ」という予感がありました。
パッケージも落ち着いた色味で、ドラッグストアの棚であの一帯だけ声を潜めているように見えたのを覚えています。手に取るときの心理的なハードルが少し低い、というのも地味に効くところです。
使ってみて
やわらかさ ── 「薄さ」とは違う方向
装着してみて、まず感じたのは、薄いのとは違う、ということでした。むしろ極薄をうたう製品と比べれば、存在感はあるほうかもしれません。それなのに、違和感が少ない。
うまく言えないのですが、「やわらかさが肌の動きについてくる」という感覚に近いです。薄さで存在を消すのではなく、柔らかさで馴染ませる。アプローチがそもそも違うのだと、使ってみてようやく腑に落ちました。
フィット感 ── よく伸びる安心
IR 素材はとにかくよく伸びます。そのぶんフィット感も素直で、ずれてくるような不安は、わたしの体感ではほとんど覚えませんでした。
サイズ展開もあり、標準サイズのほか、従来品より大きい L サイズも用意されています。締めつけ感が気になる人は、サイズ違いを試す余地があるのは安心材料だと思います。
におわないこと ── 地味だが大きい
そして、最後まで「あのにおい」がしないこと。これは使っている最中、ずっと効いてきます。
ゴムのにおいというのは、意識すると一気に現実に引き戻される類のものです。それが最初から最後まで存在しない。静かな夜の空気が、途切れずに続く感じがありました。
向いている人・向いていない人
正直に書くと、向き不向きははっきり分かれる製品だと思います。
向いていると思う人
- ゴムのにおいや、張りつめた感触がどうしても苦手だった人
- ラテックスアレルギーで、そもそも選択肢が限られていた人
- 「着けている」という意識から、少しでも自由になりたい人
あまり向かないかもしれない人
- とにかく薄さを最優先したい人(別ジャンルの極薄製品のほうが合うはずです)
- 1回あたりのコストを抑えたい人(日常使いには、価格はやや張ります)
おわりに
使い終わったあと、空になった個包装をしばらく眺めていました。
技術が進むというのは、派手な何かが増えることではなくて、こういうふうに、気にかかっていたものがひとつ静かに消えることなのかもしれません。ゴムのにおい、張りつめた感触、着けているという意識。ひとつずつ消えていった先に残ったのは、思っていたよりずっと静かな夜でした。
コンドームの話を、ちゃんとしよう。そう思える程度には、これはいい買い物だったと思います。